2024
キャンバスにアクリル、油彩
41cm × 31.8cm
作家蔵


プレコという魚はナマズの仲間で、特にキングロイヤルペコルティア、通称キンペコ業界は、個体の模様の出方によってとんでもない高値で取引されるなどコレクターや愛好家が多い。人間が決めた美醜の価値により人間はその個体をどうしても手にいれたいと思ってしまう。自分も珍しい模様のプレコが欲しい時期があった。この欲求について一度昨今の絵画の状況と照らし合わせながら考えてみたいと制作した。絵画もキャンバスの表面に何らかの模様が描かれ、価値を上げたり下げたりする。市場と連動した動きは最近特に顕著で価値すらも流行になってしまう世の中。
タイトルはマグリットの《イメージの裏切り》という作品に描かれた「これはパイプではない」というセリフから。この２つの作品は同サイズ、同じ価格で並べて展示し、価値とは？イメージの持つ作用とは？改めて問いたいと思った。